鹿児島(かごしま)の賊軍熊本(ぞくくんくまもと)を退去(たいきょ)／し保田ヶ窪(やすたがくぼ)より下南部(しもなへ)迄(まて)つきし／所(ところ)字(あさな)帯山(おひやま)は数ヶ所(すかしょ)に穴(あな)を穿(うがち)の／其中(そのなか)に潜伏(せんふく)して官兵(くわんへい)近(ちか)よる／を待(ま)ち抗戦(かうせん)すること屢(しは〱)なり／しが官(くわん)軍軍(ぐん)をもつて新手(あらて)を／入れ換(かん)え厳(きび)しく進撃(しんけき)なし／塁中(るいちう)へ斉(ひと)しく撃(うち)入りたれば／賊兵(ぞくへい)防戦(ばうせん)しがたくやおもひ／けん遂(つひ)に此所をもうち捨(すて)て／何処へか遁去せしといふ