続(つゞい)て西南大戦(さいなんおほいくさ)に官軍 巡査(じゅんさ)田原(たはら)坂なる賊(ぞく)の囲(かこみ) をはじめ所々をこぼち 賊方(てき)には必死(ひっし)数(あま) 多(た)ありしが其傍(そのあたり)小平山へ忽(こつ) 然(ぜん)と賊(ぞく)勢あらはれたるより官軍 方には刀(かたな)をひらめかし賊(てき)の前後(ぜんご)を はさんで終(つい)にこゝを追退(をいしり)ぞけつゞいて 賊方(ぞくかた)は熊本城にむかひ薩地(さつま)より 取寄(とりよ)せたる臼砲(をゝづゝ)を試(こゝろ)みんと打(うち) かけしに弾勢(たま)をよばず城中(しろ) より撃(うち)いだす大砲(おゝづゝ)に賊(ぞく)大いに 損(そん)じたり賊軍(ぞくぐん)の勇気(ゆうき)しだいに ひるみ死傷(しにん)も多(をゝ)きより今(いま)は西郷 も八百人の兵(へい)を率(ひ)ひて本陣(じん)を祇園(ぎをん) 山にうつしいよ〱戦(たゝか)ひいづる見込(みこみ)なり といふ篠原は吉次(きちじ)坂の戦(たゝか)いに死(し)せしと きく村田新八は深手(ふかで)を負(を)ひ弟(をとゝ)三之介 は戦没(うちじに)せり吉次田原越(こへ)にては賊(ぞく) 兵(へい)刀(かたな)を抜(ぬ)き突入(つきい)れども利(り)なくして 鍋田村を焼(や)き海軍(かいぐん)のために白浜 河内口の賊(ぞく)勢は砲(てっほう)にて撃(うた)れたり 西郷(さいごう)隆盛の末弟(をとゝ)小平は射死(うちじに)し こゝに官軍に名をゑし吉松 少佐君は勇(ゆう)を敵中(てきちう)にふるひ 半丁ばかり賊(ぞく)勢を退(しり)ぞけ をしむらくは花々敷(はな〱しく)射死(うちじに)せられ 田原吉次の戦(たゝかひ)に大砲(をゝつゝ)小銃(こづゝ)を 官軍へ分捕(ぶんどり)あり跡(あと)は をい〱次号(つぎ)に 明治十年三月五日御届 同 三月 出版
資料集掲載番号
180
受入番号
2014-005-09
西南戦争錦絵判型
大判錦絵
彫師
彫師未詳
賛署名
金井徳兵衛筆
版元名
金井徳兵衛
版元住所
大阪府第三大区六小区新町南通一丁目十一番地
届出日
明治十年三月五日届出
本紙横
35.60
本紙竪
25.00
名札
西郷隆盛
村田新八
桐野利秋
篠原国幹
西郷小平
吉松少佐君
三好少将君
野津少将君
地名
熊本城
田原坂
植木口
吉次坂
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