By nakamura, 5 7月, 2024

西南暴動(さいなんそうどう)の始(はじま)りより/をい〱各処(しょ)の戦撃(たゝかひ)/を有(あり)の其侭(そのまゝ)しらせますか/扨賊方(さてぞくかた)が此さはぎ/を発(をこ)すいふにつけ情(なさけ)ない譚(はなし)が/有ますが其訳(わけ)といふは/いまだ戦(いくさ)のはじまらない/其頃(ろ)鹿児島へ帰県(かへり)したる/警部(けいぶ)方巡査(じゅんさ)方中原尚雄君を/初(はし)め其外四拾四人の面々(めん〱)たちを忽(たちま)ち暴徒(ほうと)/多勢(たせい)で擒(とりこ)としていふやうは其方達(そのほうたち)は探索(たんさく)の/事情(こと)有て帰国(きこく)なしたるやいさ真直(まっすぐ)に白状(はくじょう)/しろと思ひ懸(かけ)なき糺聞(きうもん)に否(いな)といふ間(ま)も/あら無暫(むざん)にも荒縄(あらなは)で縛(しば)り上げ鉄杖(てつぼう)を/もて打糞汁(うちふんじる)を灌(そゝ)ぎ息(いき)が絶(た)ゆれば呼(よ)び/戻(もど)し九死一生七転八踏(きうしいっしゃうしちてんばっとう)さあ探索(たんさく)の為(ため)の帰県(かへり)で/有らふと多勢(たせい)が押(をし)ふせ無勢にむかひ相違(そうい)有まい此書(しょ)/面へと無理無体(むりむたひ)拇印(□いん)させ惨酷(さんこう)非道(ひどう)最(も)う此上は首斬(くびきり)か/身を縛(しば)るか其面々は血(ち)の泪牢屋(なみたろうや)につながれ噂(うはさ)を聞(き)/けば前書(そのしょ)を名として西郷篠原桐野村田は国政(こくせい)を一変(いっへん)/し都(みやこ)へ勢(せい)を繰出(くりだ)すと謀(はか)るを聞(き)くに悔(くや)しき/ふるまひなるより空(むな)しく此まゝ面々(めん)が死(し)にいたらば/此事誰(ことたれ)有て急奏(きうそう)すべきやと四十四人が拳(こぶし)をにきしりに/牢(ろう)屋をさつと開(ひら)かせていざと引出(ひきた)すに扨(さて)こそ首(くび)か磔(はりつけ)で/あろふとあたりをみればこはいかに西郷勢は操出(くりいた)/し夫(それ)に引かへ官兵(くはんへい)巡査方居(い)ならびて演舌(もふしのべ)には/鹿児島県(けん)へ勅使(ちょくし)あつて其手配(てくはり)はとゝのひたりと/聞(きく)に面々夢(ゆめ)の如(こと)く九死(きうし)をのが/れ一生(いっせう)を得(え)て海岸蒸船(うみべじょうき)に/乗移(のりうつ)され四十四人と真宗(しんしう)僧(そう)侶八人とも/ 此程東京へ上着(ちゃく)し青(あお)い空(そら)を眺(なが)められ/たるはまあけしからぬ事/次号(つぎ)はをい〱      明治十年三月五日御届         同   四月   出版

資料集掲載番号
183
受入番号
2014-005-12
西南戦争錦絵判型
大判錦絵
作者
絵師未詳
彫師
彫師未詳
賛署名
金井徳兵衛筆
版元名
金井徳兵衛
版元住所
大阪府第三大区六小区新町南通一丁目十一番地
届出日
明治十年三月五日届出
本紙横
35.50
本紙竪
25.40
名札
少警部 中原尚雄君
中警部 園田長照君
真宗 僧侶
権中警部 野間兼一君
二等巡査 西彦四郎君
iiif_direction
right-to-left
UUID
4b7510a1-3123-40f0-8875-a84b734ad7de