西南評(さいなんひゃう)の続(つゞ)き頃日(このごろ)も途絶(とたへ)なく 官賊両軍互(くはんぞくりゃうぐんたが)ひに鎬(しのぎ)を削(けづ)り入乱(みだ)れ 彼(か)の桐野利秋は鞭打(むちう)ち轡(くつは)を鳴(な) らし真一文字(まいちもんじ)に馬を責(せ)め 官軍を採配(さしづ)なす野津少将と 蹄(むま)を併(あは)せ唯(たゞ)一撃(うち)と斬付(きりつけ)るを程(ほど) よく避(さ)けて野津君は本陣(ほんじん)さして 返(かへ)らるゝ道後詰(みちごつめ)とみへし 少佐村田経芳君に行逢(ゆきあ)ひ 今(いま)利秋と斯(かく)〱と 合引(あいびき)せしを告(つげ)げられたるに 経芳君きくもあへずおのれ 賊将逃(の) がさじと 跡(あと)を慕(した) ふて馬を飛(と)ばしに 高(たか)き丘(とこ)に突(つき)立つに 桐野は 四五丁隔(へだ)って揚〱 と馬上にみゆるを これ究竟(くっけう)と英(えい) 国製(せい)の射的(しゃてき) 銃(ほう)を 狙(ねら)ひ火(ひ) 蓋(ぶた)を切(き)れば あやまたず砲声(ほうせい)も 利秋は真逆(まっさかさ)まに馬より 落(をち)しは心地(こゝち)よく こそみへたりと 朝野新聞に□□ 跡はをい 〱 次号に つぎ
資料集掲載番号
190
受入番号
2014-005-19
西南戦争錦絵判型
大判錦絵
彫師
彫師未詳
賛署名
金井徳兵衛筆
版元名
金井徳兵衛
版元住所
大阪府第三大区六小区新町南通一丁目十一番地
届出日
明治十年三月五日届出
本紙横
35.70
本紙竪
24.80
名札
桐野利秋
少佐 村田君
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UUID
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