西郷小平 賊将小平は思慮(しりょ)深(ふか)くして出兵の/評議一決(けつ)に及し時其席に進み/一座の人々に申す様此度の一挙(きよ)は孤軍/を遠く懸(かけ)て天下の大兵に敵す企なれば/人を惑(まど)はせ実体(じつたい)を匿(かく)し敵に知らさざるを/要す故に熊本を取らんとならば先つ/一二千の兵士を以て長﨑港を陥(おと)し/官軍進撃の便路を断(たち)上国の通信/を拒(こは)み金殼弾薬の資給(しきう)を充分(しうぶん)にし/然る時は熊本鎮台救援(きうえん)の師を出すへし/我軍は其兵の出るを待直(たゞち)に川尻より鎮城を/抜さすれば二筑両豊の士民は響(ひゞき)の如く応じ/血を塗らずして九州は容易(たやす)く定るべし願は/くは激(けき)文の如き迂策(けん)を廃(はい)して此竒術/を設けたしと詞を尽して諌めしも/同苗桐野等之を聴(き)かず海軍には川村/大輔あり若軍鑑群(むら)がり来て再び/奪(うば)ひ返されなば大に我兵機を拒む/べしとて全軍を以て陸地より/九州を蹂躝(りん)せしと云云
資料集掲載番号
204
受入番号
2015-007
西南戦争錦絵判型
大判錦絵
彫師
彫銀刻
賛署名
筆者未詳
版元名
松木平吉
版元住所
両国吉川町二番地
届出日
明治十年四月五日届出
本紙横
25.10
本紙竪
37.60
名札
西郷小平
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UUID
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