「海上の道デジタルアーカイブ」は、東京大学史料編纂所が所蔵する、東アジア海域の歴史的交流を物語る貴重な地図・絵図史料をデジタル化し、広く研究者・教育者・一般の方々に公開することを目的としたプラットフォームです。
私たちのミッション
東アジア海域は、古来より人・モノ・情報が行き交う「海上の道」として機能してきました。本アーカイブでは、この地域の歴史的交流を示す地図・絵図史料を中心に、デジタル技術を活用して次世代に継承していくことを使命としています。
特に、日本・琉球・朝鮮・中国を結ぶ海域ネットワークの実態を、視覚的に理解できる史料群を通じて明らかにすることで、東アジア海域史研究の新たな地平を切り開くことを目指しています。
アーカイブの特徴
- 歴史的価値: 15世紀から19世紀にかけての東アジア海域の交流史を物語る貴重な史料群
- 国際的視点: 日本・琉球・朝鮮・中国など、複数の文化圏にまたがる史料を横断的に公開
- 学術的基盤: 東京大学史料編纂所の長年の研究成果に基づく、信頼性の高い史料情報
- 最新技術: IIIF準拠の画像配信システムにより、高精細な史料画像を自在に閲覧
収録コレクション
- 正保琉球国絵図 (900件): 江戸幕府が1644年に全国に命じて製作させた国絵図のうち、琉球国を描いた大型絵図
- 都城諸島図 (800件): 薩摩藩領内の島嶼部を描いた地図群で、海上交通の要衝を詳細に記録
- 15世紀日本図 (800件): 室町時代の日本列島を描いた貴重な古地図群
- 九州全図 (1,100件): 九州全域を網羅した江戸期の地図コレクション
- 島津領国絵図 (3,600件): 薩摩藩島津家の領国を描いた大規模な絵図群
- 尚家旧蔵図 (1,700件): 琉球王家に伝来した地図・絵図コレクション
総収録数:8,900件
今後も継続的に史料の追加・更新を行っていきます
技術仕様
画像配信
- IIIF Image API 2.1準拠
- Universal Viewerによる高精細画像閲覧
- マルチ解像度対応(最大8000×8000ピクセル)
検索・データ
- Elasticsearch による全文検索
- Dublin Core準拠のメタデータ
- JSON-LD形式でのデータ提供
運営組織
東京大学史料編纂所
Historiographical Institute, The University of Tokyo
東京大学史料編纂所は、日本史史料の収集・研究・編纂・公開を行う研究所として、1869年(明治2年)の創設以来、150年以上にわたって活動を続けています。本アーカイブは、当研究所が所蔵する貴重な史料を、最新のデジタル技術を用いて広く公開する取り組みの一環です。
謝辞
本アーカイブの構築にあたり、文部科学省科学研究費補助金、東京大学デジタルアーカイブズ構築事業、および関係各位のご支援をいただきました。ここに記して感謝申し上げます。