By nakamura, 5 7月, 2024

序に曰く西郷吉之助は正三/位陸軍大将まで昇進し/しゞう さま〱と身のなり/行のさまを人々はふくちう/ぞふふに見たてなが〱/のとしつきすごせしを/今此一紙のうへに あら/わせしかどほんのた/わむれのみをしるす 肺(はい) 西かふ吉の介といゝしこ/ろさい京きよみづのげつしと/さいかいにみをしのびわかこゝろ/のねがいじやうじうしがたき/をうとみそのうへばくうふうよ/りのせんぎきびしくひらの/じらふ国いしいちらうぼ/くの十すけらとおりしも/十月十五夜のつきをみて/ひさ〱゛のうつをはらさんとは/まべにいでゝふねにうつりやらい/のさけさかなをとりいだしあか/しをつくりほつくはいかいを楽し/みしにふと西がふはたんざくけつしやう/にとびいりしをみな〱やふ〱小ふねにあげ/いろ〱とかいほうし西がふたけはたすかりしなり 肝(かん)  東京にしんばつたかもりはかんなんしんくにとしつき/をおくりすでに西京にてふくわらのおこせしそとどふよりよど/かはのいくさにおよびかうみやうたび〱にしてそのゝちさんぼふのめいを/うけ東京しながはまでしんばつすよつてこゝまでとくがわのしんかつ/きたり西がふのじんにふくし申ひらきをなすさすればしろをあけわたす/べしといふよつてかつはみよにちまでおまちくだされとねがへときゝ/いれずついにそのよてをおろさずすみやかにへいせうしそれより所こくをこと/ごとくおさめかいじんしそふもんすより一/しん 心(しん)  皇朝ぎよかんなゝめならずこれによつて正三位りくぐんの大せうににん/せられなを〱むにのちうをつくしきんなふにいとまあらすひねもすしん/きんをやすめたてまつりしかが 腎(じん)  頃は明治四年ぐわいむのきよたる、そへしまくんを、得/めいせんけんかうしとしててふせんこくへつかわされしに/このくにのくわんにんともこと〱くふれいのみおゝかりければ/そへしまくんはきてふのゝちみきらのことからをそふもんしく/ けうかたりちよりたまひせいかんろんのことおこりててふせん/のぶれいをきするにうだいじんはそのひなるとべんめうして/ このことやみしが 大賜(たいてふ) たかもりはひやうきといゝてひきこもり わがろんたゝずいかわ /あらんととしつきをおくりしか明治十年一月すへわたしがくかふのせい/とふそのよのものあつまり だんやくせいそうくらへ一月三十一日よにはかにおしいりおおくのだん/やくをうはいまた〱いちりよとふもうちいりくわんしにてをおわせいりくるふねのくわんし/をしよりくさせすなをまたしちうのそふとうおおかたならすほうとふにはいよ〱西がう/きりのむらたしのわらはしめそのせい九千の余かこしまきうせうまへに せいをそろへ一/しんに千二百人五つゝゝそなへさいかをは 八百人のせいへうお ひきひに八つ代まてにわかにおしよせ/それよりいくさをわかちひちくのさかへはむらたをそをせうとしてそのよのめん〱へやまか、たかせ、/たわらさかきちしとふけこのは うへ木におしよせみなみのせきたるせのあいにてかつせんはじまるたか/せのそくせうにはむらた新八として大けきせんとなる こゝにきりのはゆふくんとしてうへきにしんをかまへやまがその/ほかみかたのなんせんすくわんとところ〱にかけめくりしがまたくまもとせうはたにしよ〱はじめとしてそのよのめん〱/十ふんにそなへをたてそくをせうくわいにひきよせしふんはよしとかねてけ□りやくのじらいくわはせるやいなこく/えん天をこかし七百人斗りのほふとうさいみぢんとなつてとびちつたり 胆(たん) ぞくせうたかもりは かわじりにほんじんをかまへ八百人のせいへうをひいて/そのみをまもらしめわれはいくきにかんけいせざるがことくちやぼうはいじん/なぞをよせごふをかこみゆう〱にわん〱とかまへしおりからへいはしりきたりいま/くまもとぜうぐわいにてじらいくわのけいにかゝりおゝいにはいそふのよしをつぐるや/いなむまにそのまゝうちまたがりとふがことくくまもとにかけきたりはいぼく/のへいをまとめそなへをたてなをせしか こゝにまたしのはらくにもとはしろせめの/はいぐんをきゝかんせいばしよりつほいてふをおしとふりむじむさんにしろせめか く/ふうこらせしかとます〱けんごゆへ これにてはうしろのくわんぐんきづかわしく/と、ふちべへんみにゆづりうへきのかたへかけつけたり 小賜 そののち西がうがいわくくわじつよりすじつのあいだしろぜめに月を/ひをおくり なにゆへこぜうひとつにかくひまどるや いちえんがてんゆかす/あないをさせはなおかやまにのぼりやまのはんぶくより せうちうをがん/かにみくだしところ〱を すみやかにみつもりよこでをはたとうち/ なるほどよくまもつたりてきながらもかんせうせりこれにてはやうちに/はおちまじとなをもしんけいをくふうせりとぞ/みなみのせきのくわんぜいしろにつうじなば いよ〱むつかしゝとうへきたわらざ/かにあらてのへいをおくられたり 胃 女たいはそのはしめよりかごしまにて 日々せんしやうのたよりをきゝき/よもかちいくさとよきたよりばかりきゝしにおい〱はいぼくきの/をはたれけふはかれと みな〱しるひとのうちじにをきくいよ 〱わ/がみにせまり かくなりゆくからは われ〱のよるべもなしと西がふの/しつはじめみな〱うちよりいへのぼくなども とも〱いろ〱のえもの/をやういしくわんひやうにあかりしがおい〱けいびげんじうにこまりしとなん 膀胱  たかもりは川尻をひいてへやへ木/やまより人よしにうつりのべおかよりみやこ/のせうにたてこもりしよほふへてくばりをなし/きりのとしあきはかごしまにむかい むらたはますだむめ/たにごとふらとともにじんを五つにわかちそなへをたて/ぶんこじをかけめぐりたゝかふたりみやこのせうきんかふかほふ/よしたにはいけべ吉十郎をふせうとなしそのせい千五百/をもってふせぎたゝかふされどもくわんぐんの大ぜいにむつかしとや/おもいけんたかもりはついにへんみなかしまいくのじうらにまかせおきそ/のみふたゝびのべおかにいたりまた〱ろふせふをかまへしょほふのぶせふもよびよ/せ三ぼふよりせめいる くわんくんきをひにまかせしんけぎするを ひきうけひつし/のゆうをふるうてぼふせんすすでにこのとき たかもりとしあきも せふぐわいにいでゝ/さしずをせしとすでにたゝかいもこゝにせまりしかとまたさんりよだんよりよだんのあいをきりぬけどふでくのさんちうにひそみしとぞ 腎門(じんもん)  大山つなよしはなが〱とおしらへにありしがこのたびいよ〱ことがらすみやか/ わかりもっともはくじゃくにつきついにつみにふくしことらくじゃくせしがこのはなしのつゞきはなか〱しけれは西がふのすへをしるすゆへこれをりやくしぬ 両道便門(し□べん)  さても西かふは日うがのやま中よりあらわれふたゝびかごしまにす/すみきたり 桐のをはじめなあるぶせふのをのどもはちくのいきおひにてじうおふむじん/にかけめぐりそれよりしろ山の西の口にせまりしかどなをもむらたへんみなかやま/なかしまらここをせんどとふせきたゝかふたりしかどめにあまるくわんぐんのたいせい/にいかなるきよくわいたかもりもひやくけいつきてへつぷしんすけをちかくまねきいま/たかもりじさつをすべしさすればしきうをこのさんちうのたにゝうづみかくしかならず/かならすてきにわたさぬやふいゝつけはらかきゝりかいしやくはべつぷましてすぐに/かくのごとくはからひしかどはくじよせ□とのあってくひはことなふじつけんすみしとぞ (腹中の文章の翻刻)                              肺(はい)(じゆすい) おい〱げっしよ さんきうふばな りさきへいては やくそくがちがふ まつた〱 をゝい むねがくるしい〱〱 肝(かん)  西ごふさんそふ いふてもおゝくの ひともおちつくところ をこさへて やらすは なりません しやといふても 肝 おれか こゝまて しんばつ するからは そこは かんをくりてこん あけわたせ 心(しん)  西がふその ほふのしん ちうかんしん そのものだ きう ばく のおりから ところ 〱 のたゝかい をおさめ なと〱 かがは□だ さやふで あり升 きみのためには はいうんを くださ □るの ため りやう どふ のほ □く □ふ こと じや □□□ 腎(じん)  はれ てはせいかん ろんの こと おこりて公 ぎやふ うちより たまい西 がうもその ばにたち ならび いろ〱こと てふぜんの ぶれい のとが めこれ あり くにへかへり 十 年大へん をおこし わがいをたて んとつのる ことのおこり をや哇 飲食門 むにむさんにみやこへ とふりませふ そふした かくごつ か ましょふ みち をさへ たら ば切 ぬけ うちめき とふ れぬことは 有升せぬ さあ〱 せひ出した 〱〱 大腸(だいてふ) さあ〱 はや〱 ひごのくにへくり だした〱 こゝ て とゞ こをると じきに ぐわいが あしくなる 又はやくとふつても これらびやふになる くわいやうおしだせ〱 胆(たん) いゝやかんしんな おてくばり こゝにじん をかまへた からは きもふとをに とこの〱 すぐ持 かためた 〱〱 小腸(花岡山) 西 てきのそなへ といゝせいりきをも つてこなす てくばりこれ てはかたい はづだわい き なにぶん 上の きかい がだい じふ んはつ せねば なりません へんみふちべの かせいがやがてき ましよよつて ひとをふやして こなし ましよ 胃(い)(本じん) しい 〱〱〱 なにであろふ がこれがかん じんくいものが たらんとひゃう らふついてはかなわぬ 〱〱 ては くいまつ まひ それ〱 かふ なる うへは のいたし おい〱 なあるもの はた□れとふ ぞしやふがあり そふなものわれ 〱も さいごふ のじせつかしらんて 膀胱(ぼうかふ)(延をか) この とこ ろで ひつしの じやふ のつもりが あつ るがましで なわかく びやうに かいとこまるにん なくて小べんがち こふもちひちヘが 腎門(じんもん)(大山の終) おおやまつなよし せんだつてのおしらべ いよ〱 ゆきとゞき たんざいに しよせら れしとぞ よつてあく たまも いまは ちから ぬけたり 大山綱良 ぜひ におよ ばぬせつ しやのみのうへ 両道便門(りよでふもん)(城やま) 西郷 ことはやかなわぬわがふく ちうきりのむらたもうち じにせしか りりよべん しんのそ とに さへゆく たのみに おもふおゝ やまは つみに ふくし あとわが くびか ならず かくし たまわれ かし 別府 ちえゝ さんねん やなあ いかにも しやうち いたしたり (その他の文章の翻刻) 善 おれはよつぽと せいをだしてひつぱつて いたのにひもがされく さつてつくま にあのかた いいつしん くるふ やふになり いろ〱のやつが ちからをそへでおゝぜいに なりむりむたいにまげよふと しおるのでこんなくるしいことはない あんまりきばってくるしいのでさい ごうべいがでると四十九さいとかいふが それでもとふどあくしんがへいかふした とみへたでおれのほねおりが とゞいたとゆふものじや 悪 まて〱 なんでもい がみあけねば ならんいままで やゝこゝろが うごかなんだが だいふんにくるいかけたから いまへんきやうしてまげねばならぬ なか〱おもい ものじやせんこく ともおふけなことにあたまを入る から 大名 おれらはまあおゝく のかねをじへにもったが どふすることもできぬ かたいぼろいからたのらくな もふかるしゃうほふがないかといろ〱と かんがへてやう〱おもひつくと ひらけん□のきうへいだの いゝよるしかねはへるしてだいは ぬす人だらけはかめいだのち しやだと みながいふのにとへ とあほふのすが しれぬ どふすることもできぬ 士(旧へい) きのふしたときかねはたくさん あったがしやふほふにはそんをし ついつまらん〱といゝ なくしてしまいは つぽうよりせめる しやきんこひおなじこひ でもこのこひほど つらいものは ねへは 西郷の魂変(たましいかへ)り いまゝで勤王一心のたましいなり しにいかなるてんまが みいれしや まつさかさまにひつくりかへり じんもんをなとし ほんせんをおこす 坊主 ほうず きうへいたちもみななくなり わしもこれまではしやうずにうそを ころばしむまいことをしたがなにかに みながへんきやうで とこへいてもしりが すわじぬきうへいいふておてらはひらけ どふし○はあたまであったことはなしや 淫乱女(じゃかせん) まふし〱そりゃ きこへませへさいごさん おまへさんをたよりに らくでぜゝのはゝを かるたをれの□いこと とすりばちはかり かしましたきびしき ごせんきでちよともしよ ばいがでけぬしまいの はてはびやうきにてま とにたひすりまけあま り〱ぞくせうで □□ますどふぞ〱 ひよきがなをつたり しれぬやふにしよ ばいはんしゃふねば います 百性 わしらもこのはる よりなが〱いくさで えらいなんぎをしたが なんじゃさいごふが〱 どふもするかふもして やつとえへことづく しをきいたがみな うそでまことに〱 こんなえらいめいに おふてなげきをいふ にもみなしんだそふ ながいったいどふし なさるぞくせうさん 売占者 せつもきんねんはどふ してもみがたゝぬ ゆへみづからはんだ んをしてもみたが 内居宅(ないたく)沢内随(たくないずい) といふけいがあらわれ こまるがなるほど かぎりはわたしどふ しててうちはきまらぬ そこでたくないずい かしらんあてにしたさつ へいれんはぺけ〱〱

資料集掲載番号
295
受入番号
2013-24-1
西南戦争錦絵判型
大判錦絵三枚継ぎ
作者
絵師未詳
彫師
彫師未詳
賛署名
筆者未詳
版元名
出版人未詳
届出日
届出日記載なし
本紙横
37.50
本紙竪
51.90
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top-to-bottom
UUID
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