By nakamura, 5 7月, 2024

弦(けん)を拳(けん)として糸(いと)に易(かえ)よとは楽(らく)を為(し)たがる/ 芸妓(げいぎ)の金言(きんげむ)其(その)怒(おこら)んより寧(むしろ)拳(けん)せよとは/縺(もつ)れた座敷(ざしき)を浮(うか)せる語にして一寸(ちょっと)/お稽古(けいこ)二三ですか〇あれ図留(づる)拳(けん)/はお廃止(はいし)ですよと議論(ぎろん)を何所(どこ)へか/吹散(ふきち)らすは酒席(しゅせき)に一種(いっしゅ)の器械(きかい)に/して縦(たと)ひ角力(すまふ)甚九(しんく)の下(した)には立(たつ)とも/かっぽれ踊(おど)りの上に位(くらい)せん事(こと)最(もっと)も輙(たやす)かる/べしと生意気(なまいき)社会(しゃくわい)の芸(げい)なし猿(ざる)が頻(しき)りに/是(これ)を勉強(べんきょう)倣(な)すを遠(とほ)く望(のそ)めば狂人(きゃうじん)の如(ごと)く近(ちか)く見れば/怪異(ものゝけ)の着(つき)たる物(もの)かと疑(うたが)はるゝを尚(なほ)献酬(けんしう)の礼(れい)なりと (まさかさうでも/                          あるまいが) 頻(しきり)に甘(あま)んずる所(ところ)より既(すで)に廃刀(はいたう)の令(れい) 出(いで)て刀剣(たうけん)は地(ち)に落(おち)たるも当八拳(たうはちけん) 却(かへっ)て湯屋(ゆや)の二階(にかい)に登(のぼ)り或(あるひ)は 茶見世(ちゃみせ)楊弓場(やうきうば)に屯集(とんしふ)して 可惜(あたら)貴重(きちょう)の光隠(くわういん)を五文(ごもん)奇(き) 妙(めう)な掛声(かけごえ)で費(つひや)すとも三文が智識(ちしき) を弘(こう)むるでもなく世間(せけん)は薩摩(さつま)の 一件(いっけん)勝負(しょうぶ)に是(これ)もて供(とも)せと旅(たび)粧(よそほ)ひを なさるお方(かた)もある中(なか)に腹(はら)に密(み)のない 河豚(かっぱう)連中(れんぢう)が狐(きつね)でさあ来(き)なせへと 馬鹿(ばか)〱しいから拳(けん)に放心(うかれ)て居(い)る 虚間(ひま)に此奴(こいつ)は閉口(へこ)でお廻(まは)りと 太鞁(たいこ)をたゝいて火(ひ)の番(ばん)をしたら 人(ひと)も安堵(あんど)を為(し)ますだらふに            墨陀の龍吟

資料集掲載番号
313
受入番号
2013-07-08
西南戦争錦絵判型
大判錦絵
作者
梅堂国政(三代目 歌川国貞)
彫師
彫師未詳
賛署名
筆者未詳
版元名
山崎新五郎
版元住所
寺島新田二十四番地
届出日
明治十年三月二十七日届出
本紙横
24.80
本紙竪
36.00
左中右 上中下1
左中右 上中下2
左中右 上中下3
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UUID
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