By nakamura, 5 7月, 2024

却説(さても)官軍(くわんぐん)の勢(いきを)ひは賊(ぞく)の大(たい) 軍(ぐん)に近突(ちかづ)き攻立(せめたて)しが賊軍(そくくん) より野津(のつ)少将(せう)の軍中(くんちう)を目(め) 掛(かけ)て猪武者(いのしゝむしゃ)と聞(きこ)へある賊(そく) 将桐野利秋真先(しゃうきりのとしあきまっさき)に進(すす)んで 恰(あたか)も猛虎(もうこ)の勢(いきを)ひにて押(おし) 寄(よす)るに官軍進撃(くわんぐんしんけき)して大(たい) 炮小銃(はうせうじう)を連発(れんはつ)す其炮声(そのはうせい) 空(くう)に轟(とどろ)き霹靂(へき[ ])の碎(くた)けて 落(おつ)るが如(□)くなりしか野津 少将(せう)は之(これ)に應撃(おうけき)し千変(せんへん) 万化(ばんくゎ)と戦(たゝか)ひしが賊将利秋(ぞくしゃうとしあき) 黒烟(くろけふり)の隙(すき)を潜(くぐ)り白刃閃(しらはひらめ)かし 野津(のづ)小将(せう)の陣中(ちんちう)へ切込(きりこん)たり 野津小将之(これ)を事(こと)ともせず 奮撃突戦(ふんげきとっせん)し互(たがひ)に火花(ひばな)を散(ちら) して戦(たゝか)ひしが終(つひ)に勝敗決(しゃうはいけつ)し 難(がた)く引訣(ひきはか)れて賊軍(そくくん)は黄昏(たそがれ)の 鐘(かね)の音(ね)を相図(あいづ)に散乱(さん[ ])せしと云(いふ)     大夛(金へんに常)誌

資料集掲載番号
071
受入番号
1990-032-156
西南戦争錦絵判型
大判錦絵三枚続
作者
真匠銀光(安達吟光)
彫師
彫師未詳
賛署名
太夛□(金へんに常)筆
版元名
小森宗次郎
版元住所
馬喰町四丁目十八番地
届出日
明治十年五月八日届出
左中右 上中下1
本紙1横
25.00
左中右 上中下2
本紙2竪
36.90
本紙2横
25.00
左中右 上中下3
本紙3横
24.90
本紙1竪
37.00
本紙3竪
36.90
名札
野津少将公
三好少将公
逆将 桐野利秋
浅井直之進
肥後介右衛門
平山新介
高城重治
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UUID
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