By nakamura, 5 7月, 2024

茲(こゝ)に佐土原旧知事(さとはらきうちじ)の三男(なん)に町田敬(まちだけい)二郎(らう)といふ壮年者(わかもの)あり/近傍(きんばう)の人小(こ)西郷(さいがう)と称(せう)して尊敬(そんけう)せり心猛勇(しんもうゆう)にして又(また)武芸(ふげい)/兵法(へいほう)に心(ごゝろ)を尽(づく)し文学(ぶんかく)にも暗(くら)からず才智(さいぢ)衆人(しうじん)に秀(ひい)でたり/鹿児島(かごしま)人暴発(ほうはつ)の模様(もやう)を知(し)るにおよび其身(そのみ)外山学校(とやまがくかう)に居(おられ)/しが一先(ひとまづ)帰国(きこく)して其実(そのじつ)を探(さぐ)り得(え)て時機(じき)によらば共力(きゃうりゃく)を合(あは)/んものと自(みつか)ら心決定(こゝろけつてい)し国(くに)に帰(かへ)りしば〱西郷(さいがう)らか動静(どうせい)を/うかがひしに鹿児島私学校(かごしましがくかう)の生徒(せいと)ら暴挙(ぼうぎょ)の色(いろ)を顕(あら)は/し二月十八日肥後路(ひごぢ)へ進発(しんばつ)せしと聞(きゝ)より町田は勇(いさ)み立延岡(たちのべおか)/佐土原等(とう)の士族(しぞく)三四百人を募(つの)り日向路(ひうがぢ)より進発(しんばつ)し直(ただ)ちに/西郷(さいがう)の陣営(ちんえい)に趣(赴カ)き其手(そのて)に加(くは)わらん事(こと)をのぞみしが西郷/是(これ)を承引(しょうひん)せず我輩(わがはい)は深(ふか)き趣意(しゅい)の有(あっ)て斯(かく)の如(ごと)き兵力(へいりょく)を動(うご)/かず事なれば再(ふたゝ)ひ命(いのち)を全(まっ)たふして帰国(きこく)すべき身(み)に有(あら)されば/かならず余人(よじん)の力(ちから)を借(かる)まじと堅(かた)く辞(じ)して止(やま)されば町田も詮可(せんすべ)為/なく去(さり)とて比侭退(このまゝしりぞ)かんも残念(さんねん)なれば此上(このうへ)は我自(われみづか)ら一手(て)を引て花(はな)/々(ばな)しく一戦(せん)におよばんものと日向(ひうが)へ本陣(ほんぢん)を据(すへ)豊後(ふんご)の国(くに)へと進(すゝ)ま/れたりとぞ此(この)事件(じけん)各社新聞(かくしゃしんぶん)より抜録(ばつろく)せり

資料集掲載番号
095
受入番号
1990-032-102
西南戦争錦絵判型
大判錦絵三枚続
作者
永島孟斎(歌川芳虎)
彫師
彫師未詳
賛署名
筆者未詳
版元名
新井三之助
版元住所
南小田原町二丁目十二番地
届出日
明治十年四月十四日届出
左中右 上中下1
本紙1横
23.90
左中右 上中下2
本紙2竪
35.50
本紙2横
24.00
左中右 上中下3
本紙3横
24.00
本紙1竪
35.60
本紙3竪
35.60
名札
町田敬二郎
黒田中将
西郷隆盛
桐野利秋
別府九郎
椛山某
中根半七
渕辺高照
永山九成
前原一格
仁禮某
町田敬二郎
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