西郷隆盛(さいかうたかもり)は川尻(じり)を本陣(じん)となし新政(しんせい)/大総督(そうとく)征討(とう)大元師西郷(さいかう)吉之助と/大書(しよ)したる標札を掲(かゝ)げ日夜(や)軍/事を議(ぎ)し居(い)たりしが三月一日に/至(いたつ)て官軍(くわんぐん)大挙(きよ)し此所に進撃(げき)/したりけるが賊(ぞく)軍は之(これ)と聞(き)くよ/り一軍を以て伏(ふく)兵となし一軍は/直に官軍と激戦(げきせん)し偽(いつは)り敗(はい)して/兵器(き)を捨て散々(さん〱)の体(たい)にて敗(はい)走な/したりけるを官(くわん)軍は勢(いきほ)に乗(じやう)し/を短(たん)兵急に進撃(しんげき)したる所ろ豈/図(はくわ)らんや横(よこ)合より突(とつ)然として/一手(て)の伏勢起(をこ)りて官軍と大激/戦(せん)す因(よつ)て官軍一時利(り)を失(うしな)ひ/一先引退(しりぞ)きたりと