今月(こんげつ)八日の夜(よ)鹿児島県(かごしまげん)の私学校(しがくかう)/の生徒(せいと)が二百人ばかり得(え)もの〱を/たづさへて県庁(けんちやう)へ押(おし)よせ鉄砲(てつはう)を打(うち)か/け斬(きつ)て入りければ宿直(とまりはん)の宦員達(くはんいんたち)も/不意(ふい)の事ゆへおどろきしなれど一生(しやう)/けん命(めい)になつて敵(てき)を防(ふせ)がんとすれども/各々(おの〱)寸鉄(すんてつ)の得(え)物もなきゆへ防戦(ばうせん)甚(はなはだ)/難義(なんぎ)なりしを暴徒(ぼうと)は得(え)たりと刃(やいば)をひ/らめかし無(む)二無三に乱(みだ)れ入右横左横(うおうざおう)に/走廻(はせめぐ)り滅多無性(めつたむしやう)に斬(きり)ちらしたる故(ゆへ)宦(くはん)/員(いん)の人々(ひと〱)痍(きづ)を負者(おふもの)少(すくな)からず今(いま)は防(ふせ)ぐ/に力(ちから)なく終(つひ)に暴徒(ぼうと)の為(ため)に県庁(けんちやう)を乗(のつ)/とられしとぞ此(この)暴徒(ぼうと)の巨魁(きよくはい)は桐(きり)/野(の)篠原(しのはら)等(とう)なりとの説(せつ)あれども未だ/其(その)確説(かくせつ)を聞(きか)づ只(たゞ)新聞(しんぶん)に見(み)へしま/まを記(しる)す 亀谷堂暗記