西郷(さいがう)桐野(きりの)以下(いか)の賊(ぞく)は/延岡落城(のべをからくじゃう)の後(のち)は日向(ひうが)の/高千穂(たかちほ)の山間(さんがん)に退縮(たいしゅく)せ/しが密(ひそか)に策(さく)を決(けっ)し/八月十八日江之瀧山(えのたけやま)/を突出(とっしゅつ)し官軍(くゎんくん)の/囲(かこ)みを突(つき)三田井(みたい)に/出道々(いでみち)の分署(ぶんしょ)を/おそひ同国(どうごく)飯野(いいの)小林(こばやし)/を経(へ)て大隅(おほすみ)の国(くに)/横川(よこかは)吉田(よしだ)辺(へん)へ/討(うっ)て出/官軍を破(やぶ)りしその/勢威(いきほい)猛虎(まうこ)の荒(あれ)たる/如(ごと)く遂(つひ)に九月一日午前(ごぜん)/鹿児島(かごしま)へ討入(うちいり)弾薬(だんやく)を/掠奪(りゃうだつ)し猶(なほ)弁天台場(べんてんたいば)に/備(そな)へ在(あ)る大砲(たいはう)四門その外(ほか)の銃器(じうき)/うばひ夜(よ)に入(いつ)て倍々(ます〱)賊勢(ぞくせい)盛(さか)ん/市街(しがい)は兵火(へいくわ)㷔々(えん〱)として天を/焦(こが)しさながら暗夜(あんや)も/白昼(はくちう)の如(ごと)く飛丸(ひぐわん)雨より/はげしく頗(すこぶ)る未曾有(みそうう)の激戦(げきせん)也/葢(けだ)し賊兵(へい)は勢威(いきほい)に乗(じゃう