砲聲雷(ほうせいらい)の如(ごと)く剣光電(けんくゎうでん)のごとく官(くゎん) 軍賊兵(ぐんぞくへい)の九州一円(きうしういちえん)合戦(かっせん)は互(たがひ)に雌雄(しゆう) を決心(けっしん)の身命(いのち)すつるも国(くに)の為(た)め 敵(てき)に触(ふ)るれば敵を斬(き)り馬(うま)に 触るれは馬をきるそのときの 力(ちか)ら山を抜(ぬ)き気(き)は世(よ)ををゝふ 項羽(こうゝ)に優(まさ)る西郷隆盛(さいごうたかもり)烏江(うこう)の 敗(はい)のそれならで七十余戦(よせん)は まだおろか大戦(たいせん)三百小戦(せうせん)五百 骸骨(がいこつ)つんで山となり鮮血(せんけつ)なが れて川をなし死(し)ては生(い)き生(い)き ては死(し)ぬる修羅道(しゅらだう)の苦(く)とも思(おも) はぬ大逆暴徒(だいぎゃくぼうと)きのふの忠臣(ちうしん)けふ の賊君(ぞくきみ)に背(そむ)きし其科(とが)のしるしは 目前篠原(めのまへしのはら)や我児小平(わがここへい)も果(はか)なき戦(せん) 死今に西郷が最後を見玉(みたま)へと云爾